異世界で知識チートをするためのblog 〜冒険準備の書〜

今、突然異世界に転生したところで何もできません。備えましょう。

異世界転生初心者のドーナツ学 〜天ぷらはドーナツではありません〜

皆さんこんにちは。異世界転生初心者のカスティーです。

 

ドーナツとコーヒーカップ。同相。



音楽の休符。絵の余白。デュアルモニターの間の空間。「無いけれど在るもの」というのは不思議な魅力があります。そして…何よりも魅力的なのは…?

そう。ドーナツの穴ですよね。

 

かつて「ドーナツで一番美味しいのはあの穴だ」と曰う友人がいたくらいです。

あの時の私は、友人の言っている意味が分かりませんでした。大人になった今だからこそ…分かります。適当なことを言っていただけです。

 

チート野郎目指して頑張っていきましょう。

 

 

 

●何があったか(自然な導入)

 

図書館

 

今回のテーマは、「ドーナツ」です!はりきって異世界で探してみましょう!

…え?何故もう図書館にいるのかって?

 

これには深ーい事情があるのです。

 

 

〜ある日〜

 

契約者さん

「そういえば、私も異世界転生しちゃった時に…手に入れたいものがあるんだよね。」

 

カスティー

「あら。なになに?」

 

契約者さん

ドーナツ。」

 

カスティー

「…ドーナツ?」

 

契約者さん

「ドーナツ。無いと困る。」

 

カスティー

「ドーナツかぁ…。まあ、美味しいし人気は出そうだけど…。中世ヨーロッパに麦というか…パン自体はあったみたいだしなぁ。

パンがあるんだからドーナツは作れるでしょう。」

 

契約者さん

「ぅん???」

 

カスティー

揚げパンみたいなものだし。

 

契約者さん

「………。」

 

カスティー

「あれ?…契約者さん?」

 

契約者さん

「スキル発動。」

 

カスティー

「!?」

 

契約者さん

エール・バビロニアン…

 

カスティー

「待って。それ私の技d。」

 

契約者さん

タブレット

 

カスティー

「行って参ります!」

 

 

 

以上。深い理由でした。

 

 

 

異世界でドーナツを探そう。

異世界での食べ物探し(ルールの復習)

ドーナツは生活の潤い。異世界転生をして、ドーナツが手に入らなかったら…。考えるだけで恐ろしいです。私の領地は滅亡すること間違い無いでしょう。

それはそうと、契約者さんのスキル発動シーンが私よりもカッコいいのではないでしょうか。解せぬ。

 

 

さて、今世にてどうやって異世界の食べ物を探すのか。それはお馴染みの盤石な理屈…異世界に人間が存在するのであれば、異世界と地球は環境が似ている筈」理論を使っていきます。どなたも異議はありませんね。ありがとうございます。

 

改めて。このブログでは「中世ヨーロッパで手に入る=異世界で手に入る」というルールで異世界探索を行なっております。

 

 

○そもそもドーナツってなんだろう。

ドーナツと言ってすぐに思い浮かぶのは、「良いことあるぞ〜」でお馴染みのチェーン店でしょうか。いつもお世話になっております。オールドファッション大好きです。

その他にも、先に挙げた揚げパンや、あんドーナツ、サーターアンダギー、マラサダなどを思い浮かべるかもしれません。

 

さて、冒頭で私の…「揚げパンみたいなものだし」という失言がありましたが…。オールドファッションと揚げパン、あんドーナツは…食感からなにから明らかに別の食べ物です。

 

ならば、ドーナツの定義はどうなっているのでしょうか。

 

・定義から考えてみる

調べてみると…ドーナツとは「柔らかいドウ(練ってできる塊=生地)を、ボールやリング状にしてたっぷりの油で揚げたもの」ということです。

へ〜!ドーナツのドーってそう言う意味だったんですね。

…うん。

 

いや、広いな…!定義。

 

「柔らかいドウ」というのがやっかいですね。お菓子作りをしない私は知らなかったのですが、小麦粉に水などを混ぜたものにはドウバッターがあるとのことです。

 

…バッターってなんだ、打者か!?仮面ライダーか!?

ちょっと嫌な予感がしてきましたね…。と、とりあえずドウとバッターを調べてみましょう。

 

 

【ドウとバッターについて調べてみた】

・ドウ

弾性がある。こねる事ができる。パンなどに使われる。

・バッター

流動性。天ぷらの衣やケーキに使われる。

 

なるほど!

 

…。………。

え?

柔らかいドウってバッターの一歩手前ってことなんですか???いや、こねる事ができなくなったらドウではないのかな???

やばい…!今回、基礎的な知識が足りなすぎる…!

インフルエンザで一週間休んだ後の数学の授業くらい意味がわかりません。たんじぇんと???

 

 

 

あまりにも分からなかったので。今回はHeather Delancey Hunwick「Doughnut:A Global History」(2015)で紹介されているドーナツとドーナツでない物を参考にします。

 

・ドーナツであるもの

ドーナツには生地をイースト発酵させたイーストドーナツと、発酵させないケーキドーナツの2種があります。重要なのは、イーストドーナツはもちろん…ケーキドーナツもベーキングパウダーのような膨張剤が入ること。

なお、私の好きなオールドファッションはケーキドーナツに当たるようですね。確かに、固いようでいて…口の中でほろほろと崩れるあの食感は、発酵させていない生地ならではでしょう。

食べたい。

 

〜箇条書き〜

・イタリアのフリトレ ヴェネツィアのカーニバル料理。スプーンで成形する。

ギリシャのルクマデス ハチミツやシナモンをかけて食べる。スプーンで成形する。

・ペルーのピカロネス 1個だとピカロン。カボチャやサツマイモで作る。

アメリカンクルーラー 捻ったドーナツ。

・ゼッポレ・ディ・パターテ ジャガイモを使った発酵生地。

アイスランドのクレイナ 変わった形状。穴のとこでくるっとした感じ(語彙力)

・スペインのロスキージャ アニス酒を入れるらしい。

フィンランドのドニツィ 多分、フィンランド語でドーナツ。

チュニジアのヨーヨー YOYO

・アップルフリッター 穴にリンゴを詰めるのだとか。ドーナツマンシップ的には大丈夫なのか。

・シナモンスワール シナモンロールの派生。

・ベアクロウ アップルパイのような具材入りドーナツ。

南インドのヴァダ 豆を使った甘く無いドーナツ。

フィンランドのリハピーラッカ フィンランド風のピロシキ

 

 

・ドーナツでは無いもの

【バッターを焼いたもの】

・ワッフル

・ケーキ

・パンケーキ

・クレープ

 

【固いドウを薄くして揚げたもの】

ハンガリーのラーンゴシュ

・ファンク

ポーランドのファボルキ

・ロシアのホヴォロスト

・メキシコのブニョエロ

・カナダのビーバーテイル

 

【判断が難しい!バッターを揚げた成形していないもの】

・インドのジャレビ

アメリカのファネルケーキ

 

ベニエ ドウではなくシュー生地】

チュロス

フレンチクルーラー

・ゼッポレ

 

 

 

・・・なるほど。

ベニエをドーナツに入れるのかどうかは諸説ありそうです。…が、まさか…フレンチクルーラーがドーナツの定義から外れるとは。言われてみると、ねじったような見た目もさることながら、食感が変わっていますよね。シュー生地と言われれば確かに。

 

…。

 

ドーナツ…、めっちゃ面白い!!!

 

最早…これは学問です!ドーナツ学ですね。正直、お菓子の1種くらいに考えていたことは否めません。がっつりと製菓学校の先生にインタビューをしてみたいです。

味について論じなくてもこの状態なんですから、世のパティシエの皆様は本当にすごいと思います。調理器具も日々、新しいものが出るでしょうし…研究家ですね。

 

しかし!データというものは偉大です。お菓子作りの知識が無く、今だにドウとバッター…そしてベニエの違いの感覚は掴めませんが…。そんな私でも、例を挙げて分類分けをしたことで、ドーナツかどうかの見分けは大体わかってきたのでは無いでしょうか。

ちょっと試してみましょう。

 

 

○ドーナツか否か判定してみる。

ここまでを踏まえて、色々な食べ物をドーナツであるか判定していきます。

※今回の定義付けにおける判定です。「当ブログではどこまでをドーナツとするか」の参考程度に捉えてください。

 

・サーターアンダギー

生地は小麦粉・卵・砂糖・ベーキングパウダーで作る。イースト発酵させないケーキドーナツでオールドファッションの仲間。牛乳を入れないのが肝のようです。

問題なくドーナツ

 

・揚げパン

ドウから作る揚げ菓子。私も「ドーナツって揚げパンでしょ」と言っていましたね。しかし、ドウを焼成したものを揚げている為…ドーナツの定義から外れています。

はい。ドーナツではないです。

 

・カレーパン

いや、パンじゃん!って思いますよね?しかし…考えてみてください。カレーパンは揚げパンと違い、生地にカレーを入れて揚げたものです。つまり、柔らかいドウを油で揚げたもの…と言えるんですよね。類似のものとしてはベアクロウでしょうか。

ドーナツです。

 

・パンツェロッティ

揚げピザ。具材を詰めながら三日月状に折り込んだピザ生地を揚げたもの。カレーパンと構成要素は似ていますが、こちらは固いドウを薄く伸ばして揚げています。フライドドウではありますが…。

ラーンゴシュ等の例から、ドーナツではありません

 

かりんとう(関東)

難問です。生地は間違いなくドウと呼べるでしょう。そして揚げています。しかし…固いドウを薄く伸ばして揚げていると言えなくも無いです。ドーナツでは無いファボルキ辺りと似ているような気もします…が。かりんとうはベーキングパウダーを入れるみたいなんですよね。う〜ん…。

ぎりぎり…ドーナツ判定にします!

 

・天ぷら

逆に、生地を柔らかくしてみましょう。我らが天ぷらです。…はい、明らかに天ぷらの衣はバッターですね。とても生地を成形して揚げるとは言えないでしょう。

ドーナツではありません。

 

・あんドーナツ

基本的にドーナツです。…しかし、油で揚げないレシピや揚げ焼きのレシピはドーナツ判定はできないので、同じ料理でも基準は調理法である良い例ですね。

 

・ゼッポリーネ

ナポリのおつまみ。小麦粉にイーストや水や塩…そして青のりを混ぜて、発酵後にスプーンで成形しながら揚げたおいしいやつ。ここまでお付き合いいただいた皆様ならお分かりでしょう。

そう…。ドーナツですとしか言いようがない。

 

 

ああああああああああ!

…めっちゃ楽しい…。

 

私は、今、初めて分かりました。エール・バビロニアン・タブレットを使い、数日かけてたどり着いた真理です。そう。

 

 

「天ぷらはドーナツではない」

 

 

めっちゃ凄くないですか?新たな世界が開けた気分です。

 

 

異世界のドーナツ事情

ドーナツとは何か、おぼろげながら掴んだところで。異世界で作ることができるのか確認しましょう。

ここからは慣れたやつですね。パパッといきましょう。

 

材料として色々と欲しいものはありますが、最低限…①揚げ油、②ドウの材料、③甘味…この3点は抑えたいところです。

 

…そういえば、既に異世界食糧庫(過去のブログで「ある」ことを確認している食材達)に使えるものがあるかもですね。見てみましょうか。

 

アピキウス・・・!

 

【↓食材の確認】

「異世界転生者カスティー」 ※都度更新 - 異世界で知識チートをするためのblog 〜冒険準備の書〜

 

・大麦粉

・エンマー粉

・オリーブオイル

・ハチミツ

・ココナッツ

 

【↓集めた時の回】

【パン】古代メソポタミアの料理を知りたい。何を作るか決めましょーよ。【パンにします】 - 異世界で知識チートをするためのblog 〜冒険準備の書〜

異世界転生してもカレーが食べたい。オイル! - 異世界で知識チートをするためのblog 〜冒険準備の書〜

ハチミツと毒。 …なんか異世界っぽいタイトルじゃ無いっすか?そうでも無い? - 異世界で知識チートをするためのblog 〜冒険準備の書〜

カレーの食材集め!神話の植物ココナッツ!!! - 異世界で知識チートをするためのblog 〜冒険準備の書〜

 

 

主にカレー用に食材を集めていたのですが…。思ったよりもドーナツに適していそうな材料がありましたね。僥倖です。棚ぼたです。ごっつぁんです。

 

案外、ドーナツのような料理は異世界にも既に存在するかも知れません。

 

・紀元前のローマ

紀元前160年頃、マルクス・ポルキウス・カト・ケンソリウスが書いた「農業論」。その名の通り農法についての本ですが、料理のレシピが登場します。…食べることも農業には大切ですからね。記述した理由は分かりませんが、とっても助かります。

 

そんな農業論に登場する食べ物が「グロービ」です。作り方はチーズとエンマー粉を混ぜたものを丸めて揚げるとのこと…。…。

もうちょっと詳しく書いてくれるとありがたい。おそらく膨張剤は使っていない…のかな?発酵はさせているのかいないのか。

ドーナツであるかは証拠不足で判断ができませんが、生地を揚げた食べ物自体は紀元前から存在していたことが分かりました。

 

 

●新しい課題(目的を見失っていたカボチャ)

異世界では、既に生地を揚げる料理の構想が存在するであろうことが確認できました。これは、もしかするとかなり高望みができるのでは無いでしょうか。

目指せオールドファッション!

…隣から「ポンデリング!」とか聞こえた気がしますが。気のせいです多分!

 

参考までに、今世でのオールドファッションの材料も調べてみましょうか。

えっと…。

・バター

・砂糖

・卵

・牛乳

・薄力粉

・強力粉

・ベーキングパウダー

 

 

う〜ん…流石に今の食糧庫では、材料が足りませんね。でもまぁ、ドーナツ自体はどうやら作ることができ…そ、う…?

 

 

………。

重大なことに、気が付いたのですが。今回、私が学んだのって…、

異世界でドーナツと定義できる料理が手に入るかどうか」でしたね…。

 

 

もしかしなくても、契約者さんが言っていたのって。

異世界でも今世のドーナツが食べたい」だったのでは…?

 

 

…。

 

 

 

Q:ドーナツが食べたいという人にカレーパンを渡したらどうなりますか?

 

A:怒られます。

 

 

 

やっちまったぁああああああ!!!

 

 

み、皆さんも世の中の揚げ物が「ドーナツ」か「ドーナツで無いか」…。定義を決めて判定してみても面白いかも知れません。

 

それでは、良い異世界ライフをお過ごしください。

目的を見失っていたぁあああ(お別れの言葉)。

 

 

〜余談〜

そういえば、「ドーナツ」で良いんでしたっけ。それとも「ドーナッツ」?

 

…あ!良いこと考えました。英語のスペルを確認しましょう!ふむふむ…。お!「doughnut」または「donutと…。

いや、どっちやねん。

 

どうやら「donut」というのは1920年ごろのアメリカで生じた綴りとのことでした。広告の観点から分かりやすさ重視のものが求められたようですね。

よし!元の綴りも色々あるなら、日本もどっちでも良いでしょう!このブログでは引き続き「ドーナツ」で行きます!おなしゃす!

 

 

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