異世界転生は、いつ自分の身に降りかかるか分かりません。知識へのステ振りを今のうちにやっておきます。
チート野郎を目指して頑張っていきましょう。
【目次】
異世界でもカレーが食べたい。
転生で一番困るのは、今まで当たり前だったものが手に入らなくなることです。その中でも特に致命的なのがカレーではないでしょうか。異論は認めます。
そこで…「中世ヨーロッパで作ることができれば異世界でも可能」という前提で、異世界でカレーを作ることができるか検証してきました。
今回はここまでのブログで書いてきた情報の整理をします。
●集めた食材
タマネギ、ニンニク
原産地:中央アジア
アリウム属…いや、アリウム一族のメンバー。メソポタミア文明の頃に粘土板に記されたというレシピ:エール・バビロニアン・タブレットに登場する。庶民にも愛されていたようで入手難易度は低い。
ニンジン
原産地:アフガニスタン
紫色。ピーターラビットは食べていない。円錐型のニンジンは地中海の東、アナトリアで10〜11世紀頃に作られた。12世紀には北ヨーロッパまで広がっている。
お肉
モンスターの狩猟はお住まいの国や自治体のルールに従いましょう。狩猟には資格も必要です。狩猟モンスターによく似た非狩猟モンスターもいます。誤って密猟者にならないよう、モンスターハントには正しい知識が必要です。
クミン、コリアンダー
原産地:地中海地方東部
古くから使われ続けているスパイス。エール・バビロニアン・タブレットにも登場する。入手は簡単そう。
ターメリック
原産地:インド
サフランの代用品という認識が古くからあったスパイス。ウコン。古代ギリシアの植物学者、西暦300年頃のローマ皇帝、そしてマルコ・ポーロなどが「それっぽい植物」について記している。インドから運ぶため手に入ると思うが少量で高額。
サフラン
原産地:地中海地方東部
スパイスの方から見つかりにきた珍しい例。クミンやサフランと出身校が同じ。一株にそんなに数をつけない花の、雌しべの、先っぽを使う。希少な部位。今でも高い。
●入手ができなかった食材
ジャガイモ
原産地:アンデス山脈
アンデス文明やインカ帝国を支えた食材。紀元前1万年前には栽培化に成功している。しかし、インカ帝国は中々外から人が来ない。おそらくインカ帝国を征服したフランシスコ・ピサロは見ている筈。記録には残していない。
早くから人類に見つかっていたが…中世ヨーロッパでの入手は困難。
トマト
原産地:アンデス山脈
原産地を見て諦めた。スパイスからカレーを作るにあたって、トマトがないことが本当に辛い…。
●シンプルな「異世界カレーレシピ」。
異世界で入手可能な食材を使った試作カレーのレシピ第一弾です。カレールーのありがたみを知りましょう。
①熱した油にクミンを入れる。
挽いていないホールのクミンを油に投入する。油に香りを移す。スタータースパイスというらしい。カッコいい!
この時点で匂いがすごい。こっそり作るのは不可能。
②みじん切りにしたニンニクを入れる。
入れた瞬間からもう匂いがすごい。火加減を強くしすぎないように注意。異世界のコンロでの調節方法は不明。
③みじん切りにしたタマネギを入れて色がつくまで炒める。
いわゆる飴色タマネギを作る。このレシピにおいてはこの手順が最重要。上手にできると美味しくなる。
転生した後もここは要練習。
④肉を入れて炒める。
この辺りから匂いが落ち着いてくる。可能であれば、お肉には味をつけておいた方がいい。
⑤具材が浸るより少し少ないくらいの水を入れる。
いずれは出汁をとって入れたい。鰹節とか作れないかな。
⑥スパイスと塩を入れる。
挽いたクミン:コリアンダー:ターメリックを2:2:1くらいの割合で混ぜたスパイスを入れる。一気に見た目がカレーになる。
スパイスには味がないので、塩で味をつける。
●異世界で集まる食材だけで作ったカレー
最高
一人暮らし経験があり自炊はできる。程度の料理スキルでも、異世界食材で簡単に作ることができました。スパイスでのカレー作りは意外と敷居が高くなかった。
見た目:思っていたよりも、ちゃんとカレー。水分量のせいかカレー炒めのよう。
香り:意外にスパイスの香りは強くない。一番感じるのはタマネギ。
味:美味しい。しかし、この先のカレーを知っているせいか物足りなく感じる。
今後の課題
調味料と野菜がもっと欲しい。豆類や魚醤…乳製品などであれば手に入るでしょうか。中世ヨーロッパに醤油が落ちてないですかね。入手食材がもっと増えれば、レシピも改良できます。何度か試作することで私の技能も上がるでしょう。
必須食材のターメリックが高額であることも、中々厳しいです。私が異世界で食べたいだけなので、自分の分だけでも確保できれば良いのですが…どうにか栽培ができないでしょうか。
まとめ
以上が現時点での、異世界転生知識でした。いやぁ…まだまだチートの域には達していないですね。先は長いです。最高ですね。
皆さんは色々な食材を使ってカレーを作ってください。カレールーは偉大です。
それでは皆さま、良い異世界ライフをお過ごしください。
君がカレーで僕が米〜♪(お別れの言葉)
〜参考文献〜
- Czarra,Fred.(2009)Spices:Reaktion Books.(=2014,竹田円 訳『スパイスの歴史』株式会社原書房)
- Dalby,Andrew.(2000)DANGEROUS TASTES:The British Museum Company.(=2004,樋口幸子 訳『スパイスの人類史』株式会社原書房)
- Jay,Martha.(2016)Onions and Garlic:Reaktion Books.(=2017,服部千佳子 訳『タマネギとニンニクの歴史』株式会社原書房)
- Lee,.Young.Paula.(2013)Game:Reaktion Books.(=2018,堤理華 訳『ジビエの歴史』株式会社原書房)
- 村上愛子(2015)『鎌倉OXYMORONのスパイスカレー』株式会社マイナビ出版
- Potter,Beatrix.(1902) THE TALE OF PETER RABBIT:Frederik Warne & Co.
- Rupp,Rebecca.(2011)HOW CARROTS WON THE TROJAN WAR:Storey Publishing LLC.(=2015,小川久美子 訳『ニンジンでトロイア戦争に勝つ方法 上』株式会社原書房)
- Sen,Taylor.Colleen.(2009)Curry:Reaktion Books.(=2013,竹田円 訳『カレーの歴史』株式会社原書房)
- Smith,F.Andrew.(2011)Potate:Reaktion Books.(=2014,竹田円 訳『ジャガイモの歴史』株式会社原書房)