異世界で知識チートをするためのblog 〜冒険準備の書〜

今、突然異世界に転生したところで何もできません。備えましょう。

異世界転生してもカレーが食べたい。問題発覚

皆さんこんにちは。異世界転生初心者のカスティーです。

 

女の子はお砂糖とスパイスと素敵なものでできているそうです。良いですね私にもそういうのが欲しいです。…え?カボチャと触手でできている?………。

チート野郎を目指して頑張っていきましょう。

 

 

問題発覚

前回、カレーの歌を歌ってみたところ…重大な問題があることに気が付きました。ニンジンアリウムジャガイモ、狩猟肉…その続き。

なんと、トマトカレールーが控えていたのです。そんなトマトですが、なんとその原産地はアンデス山脈でした。

 

そうです。ジャガイモとの約束の場所である、アンデス山脈です。

ジャガイモ回はこちら

casteatensei.hatenablog.com

 

中世ヨーロッパで手に入る食材でのカレー作りにおいて、トマトはジャガイモと同様…アウトです。異世界転生の準備をしているうちに、原産地から推測ができるようになって来ました。人生何が役立つか分からないものですね。最高です。

 

ここで一度、現在の鍋を見てみましょう。

 



うんうん、素晴らしい。美味しい料理が作れそう。素敵です。

ただ…この子の可能性は無限大なんですよね。カレーにもシチューにも鍋にもなれるという、まさに才能の塊です。組み分け帽子もこれは悩むでしょう。ハットストールの仲間入りです。好きな寮はレイブンクローです。

この才能の塊がカレーに「しんか」する条件といえば、…そう。

スパイスです。

 

今回はスパイスを探すことにしましょうか!さっそく、いつもの場所に行きましょう。

 

 

 

スパイスを求めて、図書館へとやって来ました。ここにはなんでもありますからね。いつもお世話になっております。

 

さぁて。カレー作りに必要なスパイスは中世にあるかな〜!まずは!…。えっと?カレーに必要なスパイスって何だ…?

さて困りました。今まではテーマの食材に対して個別に歴史を調べることができましたが…。今回は何を探すのかが分かりません。そこから調べる必要がありそうですね。

 

カレーに必要なスパイス

世の中には言葉で説明することが難しいものというのがいくつかあります。

愛、コク、右…そしてカレー。

あらためて「カレーって何?」と聞かれた時に自信を持って説明できる人は中々いないと思います。それもその筈、驚くべきことにカレーという言葉は定義が曖昧なのです。敢えて言うのであれば、数種類のスパイスを使って調理した料理がカレーとのこと。

いくらなんでもそれは広すぎない…?

例外が結構ありそうですよね。七味をふんだんに使った料理とかどうなんでしょう。シーフードカレーを頼んで七味まみれのゲソが出て来たら…それはちょっと面白いですね。冗談は置いておいて、この定義でスパイスを探すとこの世のスパイスが全て対象になってしまいます。

 

そこで、今までなんとなく「カレー作り」と言っていましたが…ここから改めましょう。私が目指すのは「カレーライス(ライス抜き)作り」です。

 

カレーに必要なスパイス

カレーライス(ライス抜き)に必要なスパイス

注:いちいちカレーライス(ライス抜き)って書くのが面倒になったので、今まで通りカレーと書きます。

 

日本で作るカレーでよく使われるスパイスは以下のようです。

 

すげぇ〜〜〜〜〜〜!

 

馴染みのあるものから、聞いたことのないものまで。実に多くのスパイスがあります。今や国民食とも呼べるカレーを支えて来てくれたんですね。本当…凄いなぁ。うん。完璧なカレーを作る為にはこれらのスパイスを集めれば良いみたいです。

…。

 

いや、全部は無理。

多すぎ。異世界転生は、裸一貫と相場が決まっています。できることなら手帳の一冊でも持っていきたいですが、持ち越せる記憶媒体己の脳みそだけなのです。そして私は暗記科目が大の苦手でした。

仕方がない…数を絞りましょう。完璧なものを作ろうとすることは確かに大切ですが、それ以上に、完成させることが大切です。よりおいしくする為にスパイスを足していくことは異世界でもできます。今できることは完璧でなくともカレーを完成させることです。

 

そこで、改めて図書館をめぐり…絶対に必要なスパイスを3つに絞りました。

  • クミン カレーの良い香りの正体。良い香りがして名前が可愛いのでヒロインです。
  • コリアンダー 爽やかな香り。とろみがつくらしいです。優秀ですね。爽やか優秀なヒーローです。
  • ターメリック ウコン。染物にも使われる。服についた染みが落ちないのは君か…?物語を彩るサイドキックですかね。

 

素晴らしい。アリウム家に引き続き、スパイス組の設定も決まりました。食パn…ナンをくわえたクミンが曲がり角でコリアンダーとぶつかり、ブレンドされるわけですね。物語の中でケーパやサティバムとも出会うんですよ。最初は反発し合うんですかね?でも最後には互いを認め合って欲しいですね。あ〜〜〜。楽しい。

 

はい。ただいま妄想から帰って来ました、楽しかったです。

スパイス組の3人くらいであれば、私でも覚えておけるでしょう。というか、既にアリウム家に関しては、ケーパ、サティバム、ニグラム、チャイネンスくらいしか覚えていません。あ、あとオスカニニーもいたな。絞ったのは正解でしょう。

 

スパイスを探しに行く前に

必要なスパイスを3人に絞り込めたので、いつもの如く中世で得られるか探しにいきたい所ですが…。もう一つどうしても気になることがあります。それは、スパイスを見つけたとして…料理人でもない自分にカレーは作れるのかということです。

自分でも「今更そこかよ」とは思いますが、スパイスからのカレー作りってやったことがないのです。え?企画を始める時はどうするつもりだったかって?そりゃあ何も考えていませんでしたよ。

 

というわけで、次回とはなりますが…実際にカレールーを使わずにスパイスからカレーを作ってみようと思います。結構ワクワクしています。美味しいと良いなぁ。

 

 

◆余談◆

「嘘…!寝坊した…!?」

今日はモンスター狩猟資格の学科試験の日。正午から行われる試験に対して、クミンが目を覚ましたのは日が高く上ってからだった。試験は年に一度しか行わないため、遅れて受験ができない場合…また1年待たなければいけなくなる。

試験のためにまとめていた資料を引っ掴み、パンを口に咥えて家から飛び出す。まだ、太陽は真上までは登っていない。試験会場まで走ればまだ間に合うかもしれなかった。

チラチラと太陽の位置を確かめながら踏み固められた道を走る。徐々に縮んで行く己の影に焦るクミンの気持ちを表すように、肩程で切り揃えたくすんだ金髪が跳ねていた。昨晩、どうしても鳥型モンスターの「ヒヨードリ」と「ツグミン」の見分け方が不安になって復習したばかりに…。普段は寝坊などしないクミンは悔しさに涙が溢れて来た。

(泣いている場合じゃない…!今は急がないと)

こぼれそうな涙を拭おうとする。走りながら、袖口を目に押し当てようとしたとで、その瞬間、クミンは全力で走りながらも前方を見ていなかった。

「うわっ!?」

「きゃあ!!」

運悪く…人にぶつかってしまう。さらに、悪いことは重なるもので…纏めていた紐が切れたのか資料が辺りに散乱してしまった。すでに、地面に落ちる影の長さは殆どない。資料を拾い集めていたのでは、とても間に合わないだろう。

己の影を無の表情で見つめるクミンに、遠慮がちに声がかけられた。

「あの、大丈夫ですか?」

声に反応して、そちらに首を巡らせる。

「うぉ…!?」

先程クミンがぶつかってしまった男性だ。どうやら、散らばった資料を拾い集めてくれていたらしい。なぜかクミンと目があった瞬間に顔を引き攣らせていたが、気を取り直したように資料を手渡してくれた。

「ありがとうございます…。」

「どういたしまして、…いや本当に大丈夫かい?折角、よく書けている資料なんだから。ちゃんと持ちな。」

受け取った資料を力なく再度取り落としそうになるクミンに、男性は慌てて持たせ直してくれた。その結果、クミンの手が男性の手で包まれているような形になるが…今はそれより気になることがあった。

「よく書けている…ですか?」

そこで、クミンははじめて男性の顔をしっかりと見た。明るい茶髪を持ち、勇ましいというよりは綺麗な顔をしている。彼は書類の束の一番上の一枚を指で示した。

「ああ。この…ツグミンとヒヨードリ、ムックドリの見分け方とかもよく書けていると思う。ツグミンは狩猟対象のモンスターでは無いからね。」

モンスターというのは一括りにされがちだが、対象ではないモンスターを狩猟することは罪に問われる。クミンが書いた3種類のモンスターは、人里の近くでも現れるモンスターで大きさなどが似ているのだ。

しかし、その資料も無駄になってしまう。またジワリと涙が出て来た。

「…!どこか痛めたかい?」

「いえ、だいじょうぶ…です。ごめんなさい。」

焦り出す男性だったが、大丈夫だと伝えて押しとどめる。本当にどこも怪我はしていない。

「そうかい…?だったら、会場に向かおうか。試験を受けるんだろう?」

男性は、道の先…試験会場がある方へと歩き始めた。付いてくるつもりだろうか。

「いえ、その試験の受付時間が…もう、間に合わなくて。」

言っているうちに情けなくなって、段々と尻すぼみになる。

「僕とぶつかってしまったからか、それは申し訳ない。まぁ試験監督側にも責任がある状況だったということで今回は大丈夫だよ。」

「…はい?」

男性の言葉を飲み込むのに時間がかかる。シケンカントクガワ?目の前で爽やかな笑顔を浮かべる男性の顔をマジマジと見る。

「今回、試験官を務めるコリアンダーといいます。試験、頑張ってね。」

 

 

楽しい!楽しい!楽しい!

 

 

それでは皆さま、良い異世界ライフをお過ごしください。
コリアンダーも遅刻してます!(お別れの言葉)

 

〜参考文献〜