異世界で知識チートをするためのblog 〜冒険準備の書〜

今、突然異世界に転生したところで何もできません。備えましょう。

異世界転生する前にカレーを作る練習をしよう。

皆さんこんにちは。異世界転生初心者シェフのカスティーです。

 

シェフのカスティー

 

レッツクッキング!今日は私がシェフです。一人暮らしで手に入れたスキル:自炊が光ります。スキルポイントは振っていません。

チート野郎を目指して頑張っていきましょう。

 

カレーを作ろう!

学校行事かな?といった趣のタイトルですね。今回はこれまでに集めた食材と前回確認した必須スパイスの3つを使って、カレーが作れるかを確かめます。いくつか不安要素もありますが…やれるだけやってみましょう。

不安要素
  • 本来欲しかったトマトが無い。
  • 覚えきれないという理由でスパイスを絞った。
  • 料理スキルが低い。

最後の料理スキルが低いっていうのは致命的な気もしますが…どうなんでしょう。多少の自炊ができる程度の実力でも、スパイスからカレーって作れるんですかね?

そこも含めて、確かめてみましょう。さっそく今回の会場に移動します。

 

お台所



はい。流石に図書館ではありません。図書館にはなんでもありますが、皆さんの読書をカレーの香りで邪魔するわけにはいかないですからね。自宅でやります。

 

料理手順を決めよう

過去の苦い経験(比喩表現でない)から、分かっていることがあります。それは、調理に移る前に手順を確認した方が良いということです。私の料理スキルで、調理しながら手順を確認するというのは無謀と言って良いでしょう。

レベル1のままゴーレムと戦うようなものです。しかしダメージはないようだ。

 

今回は情報の正確性より美味しく作れるかなので、色々こだわらずに本やインターネットなど様々な場所で情報を集めます。…それでも中々難しい。

今回使える食材(タマネギ、ニンニク、ニンジン、お肉、クミン、コリアンダーターメリック)だけを使ったレシピがあれば話は早かったのですが…。まぁ無いわな。スパイスはともかく、他の調味料や食材が使えないことが本当に厳しいです。せめてトマトが欲しい…。

 

調べるうちに妙に気になったことが…どのレシピでも塩とか醤油とかを入れていることです。

いえ、料理するにあたって塩を入れるのは当然ではあるんですが…。「スパイスだけでカレーを作ろう」って思った時に、「塩を入れる」という発想がどこかに行ってしまったんですよね…。脳内で味付けの枠をスパイスだけにしていました。

塩…が無いことはないよな。醤油はあるはずがないな…。あ、魚醤とかだったらありそうですね今度調べてみましょう。

 

自分の料理スキルとも相談しながら…これで行けるか?という手順が決定しました!そのまま使えるレシピというのは見つからなかったので、うまくいくかは分かりません。人生そんなものです。

 

 

手順
  1. ホール(挽いていない状態)のクミンを炒める。油に香りを移すらしい。こうやって使うスパイスをスタータースパイスっていうんだって。かっこいい!
  2. 刻んだニンニクを入れて一緒に炒める。
  3. 刻んだタマネギを入れて一緒に炒める。長時間炒めて、所謂「飴色タマネギ」にする。
  4. お肉を入れて炒める。火が通ったら水を入れる。
  5. パウダーのスパイスを入れる。スパイスはクミン:コリアンダーターメリックを2:2:1くらい。
  6. 塩を加えてちょっと煮て完成。

 

 

4番と5番の順番には少し悩みましたが、恐らく…逆にすると自分はスパイスを焦がします。まあ、うまくいかなかったらその時に別の方法を考えましょう。習うより慣れよとも言いますからね。

 

 

調理開始!!!

スパイス

ということで買ってきました…スパイスです!左からターメリックコリアンダー、クミン(ホールとパウダー)です。テンション上がりますね〜〜〜。

スパイス屋さんのおじさんが袋に入れてくれたものを「それっぽい」瓶に移しました。何故か写真を撮る時に反対向きにしていますが、見分けがつくようにとおじさんが書いてくれたシールもそのまま瓶に貼り替えています。おじさんありがとう。

そういえば、どうしても気になってスパイスをそのまま味見したんですが、思ったよりも植物。いい匂いはするけれど味はありませんでした。塩は必須ですね。

タマネギ、ニンニク、モンスター肉…ということにしたい鶏モモ肉も買ってきたので、さっそく調理に移っていきましょう!てれれっててててーてれれっててててー♪

 

①ホールのクミンを炒める。

炒まるクミン

 

 

既にめっちゃくちゃいい匂いがするんですけれども!?!?

決してカレーでは無いんですが、スパイス系の料理を出すお店の裏手の香りです。そのまま味見した時と全然違うんですけれども!これは期待が高まりますね。

換気扇だけはしっかり回した方がいいです。

 

②ニンニクを入れる。

 

炒まるクミンとニンニク

 

匂いが…匂いが強い!

美味しそうではあるんです。しかしもう暴力的なまでに香りが広がっていきます。普段の料理で炒める時よりも、ニンニクの香りが強い気がするのはなんででしょうか。火が強すぎるのか?もっと低い温度でやる物なんでしょうか。

 

③タマネギを入れて茶色くなるまで炒める。

これが一番難しかった。タマネギが色付く前に、ニンニクとクミンが真っ黒になっていきます。

 

色が付かないタマネギと真っ黒なヤツら

 

しかし、焦げたような嫌な匂いにはならず…。なんだ?この黒さはメイラード反応なのか?それとも元の匂いが強すぎて焦げ臭さが分からないのか?

恐らく後者です。必死に火加減を見ながらなんとかタマネギに色がついていきました。

 

④ニワトリという手強いモンスターのお肉を入れる。

今回の試みにちょうど良さそうな細切れ肉が売っていたので、投入!

 

モモ肉の細切れ

モモ肉です。だんだんと香りも落ち着いて来ました。慣れてきただけかもしれません。火が通ってきたら浸るよりも少ないくらいの水を入れます。

 

⑤ついにスパイスを投入!

 

スパイスミックス

先に粉のスパイスを混ぜておきました。なんで、さっきと並び順が違うんですかね。写真の左からコリアンダーターメリック:クミン=2:1:2の割合です。こちらをフライパンに入れます。

 

さぁ、どうなるか!

 

 

 

 

 

 

 

 

スパイスを入れた結果

 

 

カレーじゃん。

え?カレーじゃん!!!

 

この色…!若干のとろみ…!そして…ブログでは伝わりようが無いこの香り…!カレーです。やりました。勝った、勝った、夕飯はカレーだ!

塩をくわえてから、このまま少し火を通して盛り付けてみましょう。

 

 

完成

 

ということで、異世界準備ブログの記念すべき第1回目の試作カレーがこちらです。

 

はい、ドン!

試作カレー

 

どうでしょう。結構良い感じではないでしょうか。正直カレーというより、カレーで味付けした炒め物っぽくはなっていますが…ギリギリカレーを主張できるかな?無理かな?

ま、まぁ問題は味です。食べてみましょう。

 

いただきます!

 

食べてみた

 

 

 

あ〜…なるほど。う〜〜〜〜〜ん………。

おいしいは、おいしいです。それに、ちゃんとカレーでもあります。

ただ、何かが物足りない…。味も香りもあるんですが…カレーがこの世に誕生した時ってこの味だったんじゃないかな?といった感じです。不味くないせいで、逆に課題点を挙げるのが難しい状態になっていますね。

 

とはいえ、カレーにはなっているので試みとしては一応…成功です。このカレーを異世界へと持って行って、そこから改良していく…という最低限のことはできそうです。

その上で、課題として考えられるのは以下の点でした。

  • うまみ等の味の種類が少ない。現状は塩味のみ。
  • タマネギの炒め方。たまにすごく美味しい瞬間があり、よく味わってみると一部のタマネギからその味がする。
  • 野菜がもっと欲しい。

 

この辺りが解消できれば、もっと納得して異世界に持っていけるカレーができそうです。本当に、今でも十分に美味しくはあるんですけどね。

 

次は…

課題は残ったものの、食材に縛りを設けた上でスパイスでカレーを作ることができました!

スパイスの炒り方や、タマネギの炒め方など…どこまでもこだわることができる奥の深い料理ではあるものの。自炊をするくらいといった私のスキルでも、作ることができる。面白い料理ですね。一個の学問になりそうです。

 

そこで…少なくともこのカレーを作ることができるように…。「クミン、コリアンダーターメリック」この3つのスパイスを中世ヨーロッパで手に入れることができるか。次回は、スパイス探しをテーマにしたいと思います。

 

そろそろ私は食事に戻りますね。

 

それでは皆さま、良い異世界ライフをお過ごしください。
スタータースパイス!(お別れの言葉)

 

 

〜参考文献〜

  • Czarra,Fred.(2009)Spices:Reaktion Books.(=2014,竹田円 訳『スパイスの歴史』株式会社原書房)
  • Dalby,Andrew.(2000)DANGEROUS TASTES:The British Museum Company.(=2004,樋口幸子 訳『スパイスの人類史』株式会社原書房)
  • 村上愛子(2015)『鎌倉OXYMORONのスパイスカレー』株式会社マイナビ出版
  • Sen,Taylor.Colleen.(2009)Curry:Reaktion Books.(=2013,竹田円 訳『カレーの歴史』株式会社原書房)