異世界で知識チートをするためのblog 〜冒険準備の書〜

今、突然異世界に転生したところで何もできません。備えましょう。

異世界転生してもカレーが食べたい。スパイス!

皆さんこんにちは。異世界転生初心者のカスティーです。

スパイスカスティー

 

スパイスボーイ!わーなーびぃぃぃいいいいいい。

…はい。

チート野郎を目指して頑張っていきましょう。

 

 

今回は…ついに!スパイスの探索回!

 

これまでに確認してきたカレー作りに必要なスパイス。クミンちゃん、コリアンダー様、ターメリックを探します。本日も食材を探すのに最適な場所に向かいましょう。

 

 

図書館

 

 

そうです。図書館です。ここには森羅万象が揃っていますからね。館内の80%くらいの人はスパイスを探しに来ているんじゃないでしょうか。

 

 

今回の食材探索は重要です。

スパイスが手に入らないと…カレーを作ることは不可能になってしまうのです。下手をすればここまでの6回分のブログの頑張りが水の泡です。ジャガイモやトマト…泣く泣く諦めて来た彼らに報いるためにも(?)スパイスはなんとしても手に入れましょう。

「中世ヨーロッパで手に入る食材であれば、異世界でも手に入る」という鉄の掟のもと…図書館を彷徨いましょう。

 

 

●原産地を確認しよう

食材集めも5回目。さすがに探し方も慣れてきました。まずは原産地を確認します。そんなことは無いと思いますが、もしもアンデス山脈だった場合…次回のテーマは造船になります。

※ジャガイモ、トマトのふるさとであるアンデス山脈(南米)は、異世界カレーにおける天竺。生半可な思いでは辿り着けない秘境。エルフが守っているのかもな。

 

しかし、今回は勝算があります。だってスパイスでしょう?この世のスパイスって全てインドで生まれたんじゃ無いんですか?インドの市場のようなところで麻袋にパンパンに詰まったスパイスが売られている映像を見たことがあります。

あれは原産地の売り方でしょう???

 

インドと言ったら茶葉とスパイス。世界の常識です。これは…中世ヨーロッパでインドと交易ができるかを先に調べた方が効率がいいかもしれないな〜あっはっは。しかし、資料を探してしまったので…一応確認しておきましょう。

答えは分かりきっているんですけどね?一応ね?

 

 

 

 

 

 

・クミン:地中海地方東部や中東

コリアンダー:地中海地方東部やギリシャ

 

近。

想像以上にヨーロッパと原産地が近くても…頭が真っ白になりますね。青い鳥は家にいるんでした。

あ〜〜〜。…そうだ、残ったターメリックはどうでしょう?そちらはやっぱりインドかな〜?

 

 

 

ターメリック:インド北部

 

いや、合ってるのかよ。

完全に外す前のフリをやっていたんですが…?本当にインド原産だとは思っていませんでした。ジャガイモだってヨーロッパに生えていなかったんだもの。世の中には驚きがいっぱいですね。

 

 

●食材を取りに行こう

原産地がわかったところで、お次は中世ヨーロッパで手に入れることができるかの判断をおこないます。遠く離れた地で生まれた食材であっても、中世までにヨーロッパに来ていてくれれば使うことができるのでね。クミンとコリアンダーに関しては地中海に生えているようですが。

 

コリアンダーギリシャ南部紀元前7000頃の地層で実が見つかる。

・クミン:古代ギリシアの植物学者テオプラストスが紀元前4世紀に書き記している。

 

うん。君たちは絶対に大丈夫だと思う。うっかり美少女クミンちゃんと、万能爽やかコリアンダー様って幼なじみだったんだなぁ。楽しい。

異世界でも問題なく手に入りそう…と調べていた時。インターネットで、とんでもない情報を目にしてしまいました。

 

それがこちら。

 

 

ツイートの内容を簡単に訳すと、「紀元前1750年のバビロニア料理をロックダウン中に作った」というこれ以上ないくらい最高のものです。美味しそうでした。画像を追っていくと、レシピの中にはクミンちゃんやコリアンダー様がいます。

 

さて。古代メソポタミアの料理のレシピ…。そして添付された画像…。楔形文字…。そうです。このレシピの呼び名を、我々は知っています。覚えていますよね?

復習したい方は↓からどうぞ。

 

casteatensei.hatenablog.com

 

 

確認できましたか?これは、異世界転生後に私のスキル名になる予定のかっこいい言葉です。各々、カッコいいポーズをとって今一度この言葉を叫びましょう。深夜?朝?関係ないです。だってかっこいいんですよ?

いきます!せ〜のっ…!

 

 

 

 

エール・バビロニアン・タブレット!!!

 

いや〜まさか、あのエール・バビロニアン・タブレットにクミンとコリアンダーも載っているとは!この…別の場所にあった点と点が線になる感覚は最高ですね。運命の相手と…あの時に実はすれ違っていたんですね。これがエモいってやつかぁ。

メソポタミアは凄いですね。カレーの材料が8割くらい揃っているのは、チートなんじゃないでしょうか。まさかカレー作っていないだろうなと、カレーの歴史を調べ直すくらいには驚いています。

 

この調子でターメリックも取りに行きましょう。

 

ターメリック:ヨーロッパでの情報なし

 

情報が見つからない!…いえ、正確にいうとあるっぽいんですが確証が持てないんです。前述のテオプラストスもターメリックらしきものについて書き記してはいるものの…あくまで「らしきもの」。西暦300年頃のローマ皇帝が売値の上限を定めたという「アラビアのサフラン」やマルコ・ポーロが記した「サフランに似た果実」など…。サフランに似たものが居るんです。

でも、この「サフランに似たもの」が…果たしてターメリックなの…か…。

 

…。

 

 

えっ、サフラン居るの!?

当然のように資料にサフランが登場するため、完全に一回見逃しました。手に入れていない食材が、何食わぬ顔をして横に立っていましたね。なんだったら会話に参加していました。

 

サフラン「何探してるの?」

カスティー「中世ヨーロッパで手に入るスパイスを探しているんだ。」

サフラン「そうなんだ。頑張ってね。」

カスティー「ありがとう。………待て待て待て待て!!!」

 

って感じです。二度見しました。予定外ですがサフランもついでに調べておきましょう。

サフランの原産地:地中海地方東部

クミン、コリアンダーと同郷です。はいゲットごっつぁんです!

 

 

どうやら、ヨーロッパではターメリックサフランのキャラが被ってしまっていたようです。実際にインターネットで「サフラン 代用」と検索すると、ターメリックが引っかかってくるので…現在でもその認識はあるのでしょう。大きな違いとしてはその値段。サフランは少ない数しか咲かない花の雌しべの先っぽという、とんでもなく希少な部位…高級品なんです。

しかし、中世ではターメリックをインドから運ぶとなるとそれも高級品です。当時の2人は凄まじいキャラ被りをしてしまっていたようですね。

 

ということで、ターメリックについては暫定的にセーフとします。

おそらく手には入りますが、数は少量…しかも高級品です。カレーを作った結果、その美味しさが広まればターメリック流入も増えそうですが…いえ、高級品だと難しいかもしれませんね。

 

完全にセーフにするorその他の手段として思い浮かぶのは…。

・手に入れたターメリックを自分で栽培する。

サフランでカレーを作る。

・高級品でも納得できる味に仕上げる。

くらいでしょうか…?最後のは無理がありますね。味については異世界の方で整えるつもりですしお寿司。とはいえ、他の二つも中々に難易度が高いです。これは今後の課題ですね…。

 

 

鍋に入れよう。

 

満を持してスパイスが降臨しました。集めた食材に加えましょう。

集めた食材

 

はいドンッ!!!

 

良いですね良いですね。これで、間違いなくカレーになりました。可能性の塊だった鍋が、カレーという目標をもって動き出したようです。

しかし、ターメリックが暫定的なセーフであったり、カレーの完成度であったり。まだまだ異世界に持っていく前にやりたいことがありますね。ここがスタートラインといったところでしょうか。

 

課題をクリアしていくか、さらに他の食材を集めるか…どうしましょう。異世界転生のため、カレー作り以外も並行して進めることで、意外な解決を迎える可能性もあるんですよね。今回の予想外なエール・バビロニアン・タブレットの件みたいなことがあるかもしれません。やりたいことがいっぱいある…!

ひとまず、今回はここまでにしましょう。

 

 

それでは皆さま、良い異世界ライフをお過ごしください。
エール・バビロニアン・タブレット…セカンド!(お別れの言葉)

 

 

〜参考文献〜

  • Dalby,Andrew.(2000)DANGEROUS TASTES:The British Museum Company.(=2004,樋口幸子 訳『スパイスの人類史』株式会社原書房)
  • Sen,Taylor.Colleen.(2009)Curry:Reaktion Books.(=2013,竹田円 訳『カレーの歴史』株式会社原書房)