焼ける肉!立ち上る煙!軽くなる財布!嗚呼素晴らしき焼肉。お肉を焼くという一見シンプルな料理ですが…そこから生まれる「幸」が素晴らしいですよね。他人の金で食う焼肉は美味いと言いますが、自分の金で食う焼肉もまた美味しいです。皆で割り勘でも美味しいです。
チート野郎を目指すためにも、たんと食べましょう。
愛してやまない「ONIKU」
美味しいですよね〜。お肉。否応なしにテンションが上がる魅力があります。過去にも確認した通り…異世界でも、もちろんお肉を食べることができます。さて、一口にお肉といっても部位によって色々な種類があります。
ちょっと見てみましょうか。
なんで私は乳牛の画像を用意したんですか???まあいいや。一頭のウシからは色々なお肉をとることができます。ざっくりと分けると…ロースとモモとバラですかね。日本人の感覚では柔らかいお肉=美味しいお肉という感覚があります。そのため柔らかい部位…つまり、動かさない部分のお肉が高い値段で売れます。
背中側のロースはあまり動かさず、いわゆるサシが入ったお肉というような脂肪の多いお肉がとれます。
動くためによく動かす、脚のモモ肉は脂肪が少なくなります。赤身肉ってやつですね。
肋骨周りのバラ肉は意外と動かしています。肩側の方は特に動くので硬めですが、お腹側は柔らかいです。
以上は本当にざっくりとした種類なので、他にも食べられる部位が色々あります。一頭のウシから、色々なお肉をとって食べることは大切ですよね。はい、何が言いたいかというと。
異世界でもホルモンが食べたい!!!
ハツ、ミノ、センマイ、ハラミ、マルチョウ(シロコロ)などなど…。内臓って美味しいですよね。焼肉はもちろんのこと…もつ鍋など、スープに入れても絶品です。しかし、ホルモンの語源は「放るもん」という俗説があります。本当かは分からないですが…そんな説が推される程には内臓は捨てるイメージがあるのでしょう。
そんなホルモンが、異世界でも食べることができるか…確認してみましょう!さて!異世界でホルモンといったら。
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図書館にやって来ました。ここには全てがありますからね。…。ここで煙出したらものすっごい迷惑ですね。図書館で焼肉だけはやっちゃいけません。
●古代より食されて来た内臓
お肉以上に生々しく感じ、処理が難しいモツ。その歴史は意外なことに古代にまで遡ります。
個人的に「ホルモン」といえばマルチョウ…腸のイメージが強いのですが。食用の内臓と考えると、最も世界で有名なものは肝臓「レバー」でしょう。ガチョウが長距離を移動するために栄養を蓄えていることに気がついた古代エジプトの人々が、肥えさせるため油などを食べさせ始めたことが壁画に残っています。そう、いわゆるフォアグラというものです。広義で言えばフォアグラもモツということですね。三代珍味です。ただ…個人的にはマルチョウとかの方が好きなんですよね…。嗜好の問題ではありますが。
また、古代ギリシアでは美食として、豚の血や子宮といった内臓を食べていたことが記録に残っています。我がスキルの元となった歴史書の「アピキウス」でも、血を腸に詰めたプディングなど…内臓を使った料理が紹介されています。
多少の忌避感こそあるようですが、やはり…そこは栄養のある部位ということでしょうか。思いの外、昔から人々の間で内臓は食べれれているようです。考えてみれば野生の肉食動物は獲物を仕留めた後、内臓から食べますよね。雑食のニンゲンに当てはめて良いのかは分かりませんが、大切な栄養源であることは間違い無いでしょう。
●中世ではどうか
そうなると、気になるのは時代が進むに連れて「忌避感」が上がってしまうのでは無いでしょうか。中世と言えば、宗教を背景に今まであった文化が避けられることがあります。腐りやすいモツなどはその最たるものではないでしょうか。ヨーロッパの歴史を見てみましょう。
フランスではカール大帝の742〜814年の時代から。新鮮なお肉が手に入る地域では、串焼きがよく食べられていたようです。また、そういった場所ではモツも一緒に焼いて食べていたそうです。そういえばフランスと言えば高級なコース料理のイメージもありますが…先のフォアグラに始まり、カエルやらカタツムリやら。食材に失礼な言い方ですが意外と「ゲテモノ」を食べている気がします。…同じゲテモノ食いの日本人としては親近感が湧きますね。
それ以外にも、オーストリアやドイツでは臓物で出汁をとったスープが伝統的に食べられていたり…。北欧でも魚や動物の内臓を食べています。地方によってはモツのピクルスを作っているようです。
…結構食べていますね。モツ。
これはセーフでいい気がします。調べれば調べるほど、伝統料理として内臓を使った料理が出てくるので…現代よりも美味しい料理が食べられそうな気がして来ます。
●捨てるところのないお肉料理
さてさて。異世界にてモツゲットです!!!
食糧庫に入れておきましょう。…アピキウス!
↓【食糧庫】
「異世界転生者カスティー」 ※都度更新 - 異世界で知識チートをするためのblog 〜冒険準備の書〜
私は生きているだけで他の動物の命を頂いています。異世界に転生すれば、私の存在の分…また多くの存在の居場所が奪われるでしょう。食事はそのうちの極々一部ではありますが…。せめて少しでも無駄なく食べたいものです。…。
色々言って、ただモツを食べたいだけではありますが。
●余談
イギリスの伝統的なベイキングに「スエットプディング」というものがあります。主に甘いお菓子や、物によってセイボリー…で良いのかな?おかず系のものがありますが…。バターの代わりにスエットを使っていました。バターよりもスエットが安価だったためです。
スエットというのは腎臓の周りの脂肪のことですね。特に羊のものを使っていたのだとか。よくよく考えてみれば、ゼラチンの原料もブタのコラーゲンだったりするので…そんなに驚くような話ではないのかもしれませんが。普段、お菓子作りをしない身としては「生臭くならないのかな?」と感じます。これは実際に食べてみなければ分からなそうなので…チャンスがあれば、逃さないようにしたいです。
ゼラチンは割と臭いそうですね。
それでは皆様、良い異世界ライフをお過ごしください。
幼い頃ミノ(第一胃)ってミノタウロスのことだと思ってた(お別れの言葉)
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〜参考文献〜
- Edwards,Nina.(2013)Offal:Reaktion Books.(=2015,露久保由美子 訳『モツの歴史』株式会社原書房)